第2回『日本人の英語講座』(コラム)赤ちゃんは統計学者

第2回『日本人の英語講座』(コラム)赤ちゃんは統計学者

 

はしがき

大きな泣き声と共に誕生する赤ちゃんは、目を開けるより先に耳からまわりの音を聞いています。画像研究によると、赤ちゃんはまわりの雑音から音声を聞き分けます。眠っているように見えても、音声の快い響き、すなわち、ことばの音楽を記憶しているのです。

 音楽だけではありません。頻繁に聞こえる音声から、刺繍の一針のような素音(母音と子音)に注意します。そして素音が構成する、シラブル―>単語―>フレーズ―>文章と次第に長いことばを記憶します。

ことばの音楽(=プロソディ)は感情と意味を伝えます。ことばを学ぶ原理は、母語も外国語も同じ。違いは、生まれた瞬間からか、後から学ぶか。どちらも、ことばは生きるための学習です。

ことばは共同体の約束ごと

ことばは共同体がコミュニケーションのために決めた約束。すなわち、音声や文字などシンボルで伝え合うための決めごとです。決めごとは音声が基本であり、経験から学ぶのが自然です。人間以外の生物は感情を記憶します。

世界に無数のあったことば、今では6000語ほど。全てのことばを経験で学ぶことは不可能です。学ぶ環境がない外国語の学習は、音声と文字を文法によって学びます。

「ことばが出来る」ことは、シンボルとしてのことばが伝える感情と意味を脳の神経組織に記憶していること。記憶は脳神経を中心に体全体の神経組織と化学物質が関連します。ことばの記憶とは、経験による感情と意味の記憶です。

赤ちゃんによることばの学習

では、赤ちゃんはどのようにことばを記憶していくのでしょうか。ことばの基礎は音声が伝える感情と意味の記憶です。くり返しが多いので、四六時中ことばを聞いている赤ちゃんは、くり返して聞こえる音声から順に記憶していきます。母音の発音によってことばは音楽となります。ことばの音楽にのって、赤ちゃんは最も頻繁に聞こえる母音と子音から順に記憶していきます。統計学では頻度。赤ちゃんは生まれつきの統計学者なのです!

音声の記憶:素音(母音と子音)から始めて、素音を繋いでできるシラブル―>単語―>フレーズへ、頻度の多いものから、単純なものから、と記憶していきます。意味がよくわからなくても、音声は記憶できます。こうして素音はカ月までに、ことばの音楽(プロソディ)は一年で完了です。

意味の記憶:ことばの意味は脳の発達と共に、生活の中で学んでいきます。幼い子に無理に教えることは、健全な脳の発達を妨げるだけ。学校教育が始まって文字を学ぶようになると、意味の記憶は急速に拡大していきます。[2019.6.KK.HISAMA]

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