日本発・世界のマンガ・アニメ文化

日本発・世界のマンガ・アニメ文化

 

はしがき

 日本における本格的な欧米化は、一九世紀の半ばに起こった開国と明治維新から。明治維新では、若い天皇と命をかけた志士たちの活躍があった。西洋化への源流は1806年のフェートン事件に遡ることができる。この事件をきっかけに、幕府による封建主義制度から明治政府による近代政治へ。改革の動機となったフェートン事件から明治元年まで60年、今から200年を超える歴史があるのだ。

災害日本:美しい四季と人間の融合

最近の世界で最も尊敬する人100人のランキングでは、一位・織田信長に続いて、坂本竜馬・西郷隆盛など幕末の武士の名前が連なる。日本人のアイデンティティは、戦乱時代の武将や幕末で戦った志士たちへのあこがれと尊敬にあるようだ。日本のマンカ・アニメのルーツが、織田信長が支配した安土桃山時代の大衆文化にあることは興味深い。

人智を超える自然災害を生きる日本人は、四季が織りなす自然の美と人間の融合が芸術に高められた絵によって癒されてきたと思われる。庶民の間で、室町から江戸時代から栄えた絵画・浮世絵。その高度な美的感覚は、一九世紀の西洋画に深く影響している。

一方、幕末に始まる西洋化は、絵だけでなく音楽から演劇まで、日本の芸術の全てに影響した。芸術の西洋化の中で、戦後はマンガ・アニメというジャンルの発展を見たのである。

マンガ・アニメにおける男女の違い

 男尊女卑の風潮が強い日本社会で、西洋化は女性たちへの福音。明治から大正時代、裕福な家庭の女性たちは、こぞってキリスト教によるミッションスクールで学んだ。やがて第二次世界大戦からアメリカ軍による空爆と終戦。昭和民主主義では、男女平等が叫ばれ、女性のミッションスクール入学は一般庶民にも広まった。

 西洋化における男女の違いは、戦後のマンガ・アニメ文化に色濃く反映している。初期の少女漫画と少年漫画は、人物の描写や内容が大きく異なる。時代を下りマンガ愛好者が二代・三代・四代と進む中で、男女の境界線は薄れていく。成長する少年・少女が読み続ける大人のマンガが発達、年齢の境界線も薄れる。

全世代が楽しむマンガ大国・日本の誕生である。続く[KK.HISAMA, 2018.10]

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