米大統領選に思う(その2):ヒラリーとトランプ

米大統領選に思う(その2):ヒラリーとトランプ

 

はしがき

  当選確実と思われたヒラリーさんが敗北、メディア、共和党からさえ除けもの扱いのトランプさんが勝利しました。勝利の岐路の一つとしてコミュ力が挙げられています。今回は、米国の医療保険にしぼって、両者が示したコミュニケーションのスタイルの違いを考えてみましょう。

日米における歯科医療

トランプさんはグローバリゼーションを批判し、オバマケアのご破算など、ヘルスケアにも大きな影響を与えるでしょう。ちなみに、米国は欧米の先進国でただ一つ、国民皆保険が嫌いな国。お金の無駄と考えるからです。欧米の先進国で死刑を容認するのもアメリカだけ。この点は日本と共通ですが、医療保険、特に歯科医療については正反対の考え方です。

歯科医療において、全く保険がきかない米国。一方、ミニバスのような車を診察室として老人施設を訪問する日本の歯医者さん。保険料があるからできるのでしょう。保険で悪くなった老年者の歯科医療は、高齢社会の一大問題。でも、歯がよくなれば、歯科医の淘汰で失業者が続出。アメリカで実際に起こっています。日本では床屋さんより多い歯医者。歯科保険が、過剰な歯科医の生活を保障しているのです。歯科医療の問題は拙著『医療の比較文化論:その原理と論理を求めて、世界思想社』で指摘、良心的な歯科医からサポートされています。

  歯科医療保険がありながら、日本人の歯は先進国で最悪。医学部の会議から接客専門の人まで、私は彼らの口臭には閉口しています。国際場面では、日本の外交官の口臭がひどいので、会話もできないとこぼす外交官もいます。歯科保険に頼らない米国民の歯、特に中間層以上の歯はすてきですよ。高価な治療費を節約するため、徹底した予防歯科のたまものです。

ヒラリーとトランプ:明暗の岐路は?

なぜトランプさんが勝利したのでしょう。選挙後、私は何人かのアメリカ市民から意見を聞きました。U-TUBEなど、メディアも調査しました。それらの結果を総合した私の結論です。ヒラリーは頭で考える人、ハーバード出身のケネディやオバマラインの政治家。一方、トランプさんは、お腹で考える人、英語ではガッツレベルの人、政治経験のない全くの素人です。

  トランプさんは感情に訴えて、国民の隠された本音を引き出す人。日本でも、トラさんシリーズが人気の時代がありましたね。すべての生き物のコミュニケーションは、脳の深部にある感情脳から始まります。このことは、最新のブレーンイメージングの研究で解明されています。

おわりに

私が日本を去った頃、日本が先進国であるなど誰も考えませんでした。30年後に帰国したら、突如、目の前に先進国。高速道路から住宅まで、コンパクトなアメリカです。世界一となった日本の食文化を楽しむためにも、アジアで真のリーダーが必要とするコミュニケーションができるためにも、そろそろ国民を幸せにする歯科医療を本気で考える時代の到来です。国民一人ひとりが、介護保険だけでなく、新しい歯科医療をガッツレベルで考えるときではないでしょうか。[2016.12 KK.HISAMA]

 

 

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