アセナコラム 第一回 人生の旅・人類の旅(その1)

アセナコラム 第一回 人生の旅・人類の旅(その1)

はしがき

 「人生は旅」、そしてDNAの研究によって「人類の旅」さえ解明されている。人類の旅は、今から250万年前に人類(ホモ)が出現し、その一族であるホモサピエンスが、7万年前にアフリカをでて地球の旅を始めた。

他の人類を征服したホモサピエンスは、1万年前に農業革命を、 500年前には科学革命を実現した。自然の法則にチャレンジを続ける科学革命は、急激な人口増加と資源の開発によって自然崩壊の危機を招いている。これから人生の旅は、そして人類の旅は、どうなるのか。今回は、人生の旅について述べる。

コロナ時代の人生の旅を考える

 赤ちゃんが辿る長い旅:「オギャー」と生まれた瞬間から人生の旅が始まる。感染症が蔓延した時代、新生児の苦難を思う清少納言のことばがある。

 はるかなるもの(中略) 陸奥(みちのく)(こく)へ行く人、逢坂(おうさか)越ゆるほど。()まれたるちごの、大人になるほど。

わらじを履いた徒歩の旅、感染症による夭折など、苦難ははかり知れない。小さなマスクをつけた幼な子を見るたびに、何故かこのことばを思い出す。

 人生は大海に浮かぶ孤島Aさんが米国の有名なプレップ・スクール(高校)で学んだことば。スクールは全寮制で、社会のリーダーとなるべく、学問だけでなく人間育成の場である。大統領からCEO、中小企業の社長まで、リーダーは孤独に耐える強靭な精神が必要である。終わりの見えないコロナの時代を思わせることばである。

 ゆめと現実の同時体験:旅と言えば、冒険・夢・発見などが強調される。英語を母語とし、独・仏・スペイン語がわかるBさん、高校の卒業祝いはヨーロッパの旅にでた。親友と二人でヨーロッパの旅を終えて帰国したときの意外なことば。

「土地の人は、いつもの生活をしていたわ」

観光地と、そこで生活する人々を対比した。人生とは、毎日の生活を心豊かに生きること。

これからの「人生の旅」

 長い間、現実を離れた人生の旅は少数の人に限定され、名言集・書籍・詩集など、文字で語られることが多かった。今世紀は、世界人口70億が旅する時代。地球上の大気圏を、地下の空洞や海底を、ロケットで地球を飛出すことさえもできる。

 「人生の旅」は、長い「人類の旅」の瞬間に過ぎない。次回は、250万年の「人類の旅」を顧みて、今後の「人生の旅」を考えてみたい。[KK.HISAMA,2021.4]

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