アセナコラム第7回・コロナ禍の新年コンサート[2021.1]

アセナコラム第7回・コロナ禍の新年コンサート[2021.1]

 

はしがき

皇居の歌会、消防の出初式等々、新年は恒例の行事が多い。私の恒例行事は交響楽団による新年のコンサートである。今年は異例づくめで、前日に一都三県の緊急宣言があり、対象者はロックダウンに近い状態だ。また、30数年来の寒気で、南国でさえ雪が積もった。

 幸い地方都市では無事に開催された。ソーシャル・ディスタンスによる空席が目立ったが、目を閉じて音に集中すると空席は見えない。休憩時間もあったが、例年のようなワインや飲み物はなくホールは閑散としていた。

コンサートとグローバリゼーション

今年の指揮者は在米で活躍中とか、空中を舞うように身軽に動いて指揮した。会話もうまく、奏者や観客の心をとらえ明るい雰囲気がみなぎった。一瞬の間、皆が暗いコロナ禍を忘れ、盛大な拍手で応援した。

思えば、私が渡米したbefore & after1964-94)を比較すると、日本は想像できないほど変化した。日本だけではない。後進国とされたアジアやアフリカの都市も西洋化が進み、何処にいるのか区別がつかない。飛行機で簡単にアクセスでき、舗装された道路は車であふれる。高層ビルがそびえ、中は住居とショッピングセンターで、衣・食と住に必要な物があふれる。ただ言語とかアクセントは違う。

 国際交流によって、世界の学会やイベントのレベルが上昇し、あまり見劣りしない。全ては人類史の到達点である科学革命と、グローバリゼーションがもたらした経済成長の結果である。

おわりに

皆が「普通の生活に戻りたい」という。我々の生涯も、人類の歴史も戻ることはできない。医療を一つ取っても、遺伝子を変えるほどに進歩した。変わりゆく人類史に「普通」はないが「本能」は消えない。コンサートは、群れの中で生きる動物の本能である。本能を否定され、生を抹消されてきた動物たちに思いを馳せてほしい。アクションを始めてほしい。

帰途につくと風花が舞い、北欧のようにロマンティックな夜となった。夜間に雪が少し積もったが、翌日は明るい太陽が輝いた。人間と地球上の生き物が共栄できますように・・・。[KK.HISAMA,2021.1]

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