米大統領選2020:before & after (その1)

米大統領選2020:before & after (その1)

はしがき

 夏季オリンピックと同期の米選挙戦が、新コロナ災禍の中で行われている。黒人初のオバマ大統領(2008-2016)退任後に、ヒラリーを制してD.トランプが当選、米国はもちろん世界中が驚いた。それから4年が過ぎた今回の選挙は、世界の主導権を争う米国と中国の時代に行われる。自由と資本主義(共和党)か、統制と社会主義(民主党)か、米国の、いや、人類の未来を予告する重要な選挙である。 

大統領候補を指名する党大会を終えて

 民主党(8/17-20):候補者は合計29人(男23・女6:年齢38-90)の中から、47年間国会議員を務めたJ.バイデン氏(77)が指名された。大会はインターネットで行われ、目標はトランプ打倒と新コロナの終息。バイデンのスピーチは4分ほど、政策の言及もなく、子どもの誕生日のようなバルーンとテープのシーンで終わった。

 共和党(8/24-27):現大統領の再選を目標にホワイトハウスの庭園が会場。メラニア夫人のスピーチや、堕胎の現場にショックを受けた元従軍外科医が行った、カソリックのシスターとしてプロライフのスピーチが異色だった。トランプ大統領のスピーチは1時間を超え、夜空を照らす花火で終わった。帰途についた参加者は、歩道でデモ隊に襲われ警官隊が助けた。

大都市における破壊と暴動

 西海岸のシアトルやポートランドから、中西部のミネソタやウィスコンシン州の都市へ、東海岸のニューヨークやワシントンなどで行われた銅像の破壊、連邦政府の建物や商業施設の放火と略奪は、21世紀の南北戦争のようだ。無法者デモ隊は飛行機で移動し、破壊される都市の市長と知事は全て民主党で、フランス革命の如く考えて容認を続けた。破壊と暴動が広がる中、3か月間地下室に籠ったバイデン氏が、ようやくマスク姿で現われた。  

選挙戦を支配する金と権力

 民主党か共和党かを超えて、選挙戦を牛耳っているのは大企業らしい。政権は外国の戦争を続け、大統領・副大統領(クリントンとゴア:オバマとバイデン)は、皆スーパーリッチになった。金で動かせないトランプ氏は、民主党色の強いメディアと戦い何をするかわからない。安全と思われる民主党は、8月分の寄付金が異例の30億円となり、テレビコマーシャルはトランプ攻撃が一層激しくなった。

勝者の予測

 社会主義者で、前回はヒラリーに迫る勢いだったサンダースは、党大会で影が薄かった。一方、ニューデール政策以来の進歩派とされ、有色女性を副大統領に選んだバイデンは、いつの間にか「穏健派」とされ国民の融合を説く。どちらの候補者も相手を非難し、平気で「うそ」を言う。コロナ災禍の中、投函が主となる選挙結果の予測は正に“up for grabs”である。(KK.HISAMA,2020.9

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