第4回 サピエンス勝利の歴史と危機・科学革命(その1)

第4回 サピエンス勝利の歴史と危機・科学革命(その1)

はしがき

 アフリカ大陸で、チンパンジーと同じ祖先から600万年前に分かれた人類の祖先は、250万年前には道具(石器)を使うようになった。サピエンスは200万年前に出現したホモ(人間)の一種族、認知革命(7万年前)、農業革命(1万年前)を経て、現在の科学革命(500年前)に至る。

 これら三革命の軸は、アフリカ→ユーラシア大陸→他の大陸(南米・オーストリア)・諸島へ移動、すなわちグローバリゼーションである。サピエンス勝利の歴史は、グローバリゼーションの過程で、他のホモ族・動物の滅亡と生態環境の破壊であった。

サピエンスとグローバリゼーション

 グローバリゼーションは、サピエンス革命において鍵となる概念である。そして科学革命はサピエンス勝利の歴史の到達点だ。陸・海・空を超えて、地球の隅々まで、24時間365日、移動できる。サピエンス200万年の歴史における最大のグローバリゼーションの時代となった。

ところが、先が見えない新コロナによって、グローバリゼーションがブロックされた今、サピエンスに未来はあるのか。科学革命500年の歴史を逆方向(back to the future)に辿って考察してみよう。

科学革命の到達点

 生物・科学・物理学という壮大なスケールで考えると、人類の歴史は1500 万年前に始まった。サピエンスは他の生物と同様に「自然の摂理’Laws of natural selectionLNS」の下で生きてきた。サピエンスが’Laws of intelligent designLIDの能力を獲得したのは、今世紀に入ってからである。

例えば、キリンの長い首は、LNSの結果である。一方、サピエンスは遺伝子を操作(LID)して緑色に光るうさぎ(Alba,2000)を誕生させた。これはbiological engineering の手法で、他は機械が体の機能を補う補聴器・ぺースメーカーなど、更に人間の考えで動く機械の腕も作った。

人智を超えて・・・

コンピュータの進歩は目覚ましい。株式市場から犯罪捜査まで、人間よりもAIがすぐれた結果を出せる。スマホに続く最新の話題は’The singularity’だ。これは、天命の如きスーパーインテリジェンスで、プログラミングされると人間のように自ら考え行動できる能力である。

シンギュラリティは、サピエンスに永遠の命を与える可能性がある。また「フランケンシュタイン」のように、サピエンスを滅ぼす悪魔にもなれる。農業革命がもたらした人口増加と戦争の歴史を超えて、人類の自由と平等を目標とする科学革命の未来はどうなるのか。

鍵は、農業革命から科学革命への移行期と、続く科学革命を実現した「資本主義」の概念から発見できると思う。次回に続く[2020.7]

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