アセナコラム第6回 日米における心の栄養食

アセナコラム第6回 日米における心の栄養食

はじめに

 最近見た動画のコンテンツ。若者向けのTV番組で活躍したFさんが、地方に住む母親を訪れ、手作りの食事を紹介した。大根料理が3皿、他は葉っぱの佃煮など質素な菜食で、ごはんと味噌汁が付く。新コロナで仕事を失った若者の心を癒す「おふくろの味」だ。

 私はベトナム戦争の末期から終戦後、アメリカで流行した’soul food’を思い出した。日本は栄養士が多く、世界の食材が手軽に買えるので、食事はカロリーや栄養を中心に考える。新コロナで人々の心が疲弊している。アメリカで経験した‘soul food’から、「心の栄養食」について考えてみたい。

soul food’とは?

普通‘soul’は精神とか魂を意味するが、’soul music’ ‘soul food’など、アメリカ南部に住んだ黒人の民族文化を意味する。黒人は奴隷として売買され、南部の農園で過酷な労働を強いられた歴史がある。’soul food’は、わずかな予算で労働に耐える体造りのため、アフリカ民族とネィティヴ・アメリカンの伝統から生まれた食事である。

食材は動物の内臓や骨までのすべて、栄養豊富な野菜、とうもろこしの粉などだ。黒人は文字を教えられなかったため、レシビは黒人の間で口承された。‘soul food’という言葉がうまれ、ブームが起こったのは1960年代からだった

‘soul food’の献立

 ネットで紹介されている献立は、〃榮の唐揚げ、▲泪ロニチーズ、オクラの唐揚げ、⓸コラ−ド・グリーンズ(collard greens)、ゥ魁璽鵐屮譽奪鼻8什漾↓,魯吋鵐織奪ー・フライド・チキン、△枠入りのインスタント食品がある。とい麓蠡い蠅量邵攷で栄養のバランスに欠かせない。イ魯潺奪スを買うとフライパンで簡単に出来る。

 電気がなかった時代、祖母や母が作り、大家族が一緒に食べた‘soul food’とは格段に違う。せめて家族が揃って食事するなら、’soul food’の味が少しわかるかもしれない。

私が考える‘soul food’

 それは、わずかな予算で、心に沁みる食べもの、もちろん手造りである。そして家族と民族に特有である。鍵は、普通は見逃してしまう余分な食材。一例は骨つきの肉の部分だ。ある老舗の旅館のおかみさんは、鯛の頭、中でも目玉が大好きという。アメリカでは、胸骨のバーベキューがおいしい。

最近、スーパーの魚屋さんで、塩サケのあご骨の部分4本などが入ったビニール袋を見た。冒険してみると、バーベキューにしても、石狩なべに入れても絶妙においしい。食材が一人分50円以下の日本版 ’soul food’ の発見だった。

おわりに

 家畜や魚の骨を話題にして申し訳ありません。環境破壊から人類を守るため、これからは菜食主義の時代。心の栄養は菜食に求められるかもしれません。[KK.HISAMA,2020.12]

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